2023年4月3日
コロナ禍による社会的・経済の混乱もようやく収束の兆しを見せています。その中で、IT業界・SES業界市場の動向について気になる方も多いでしょう。この記事では、当社の社内営業データに基づいて分析し、2022年の業界変化や案件傾向を分析した結果を共有しながらこれからの市場トレンドを解説します。
◆技術の動向
分析結果を見ると、実務で企業のニーズが高いのはJava、クラウドです。2021年の結果と比較すると、①Javaにおけるニーズは依然として高水準で、②特に今年後半、特に9月においてはクラウドにおける需要が年間最高に達することが明らかになっています。
①JAVAにおけるニーズいつも通り多い
Javaは堅牢で正確性が高く、処理速度が速いという特性を持ち、主にWebシステムなどのサーバーサイド(バックエンド)処理に適しています。その堅牢性から、金融機関の大規模システムなどの高品質な開発にも採用されています。また、Androidが主流のスマートフォンOSであることから、Androidアプリの開発にはJavaが広く利用されており、Javaエンジニアの需要は特に高まっています。
②クラウドエンジニアは後半年に多く求められる
DXを推進するには、新しいクラウドの整備や再構築が不可欠です。クラウドサービスはコスト削減やリソースの効率的な利用が可能であり、これによりどのプロジェクトにもクラウドエンジニアの需要が高まります。また、クラウドベースのサービスやアプリケーションの急増に伴い、それに対応できるクラウドエンジニアの需要も増加しています。最新のデジタル技術の活用やデータ解析をスムーズに行うためにも、新しいクラウド環境を構築するインフラ系エンジニアには重要な役割が求められます。
◆案件と人材
案件と人材の分析結果から見ると、2021年の結果と比較して、案件数は変わらず人材数の約2倍であり、IT人材不足の問題は継続しています。経済産業省の調査によれば、2023年には約37万人の不足が予測され、これにより企業は今後もIT人材の採用に苦慮するでしょう。未経験者がIT業界にデビューするチャンスや、現役エンジニアが個々の好みに合わせて案件を選択する機会は、今後も増加すると考えられます。
◆これからのSES業界
①市場規模持続拡張
矢野経済研究所の「2022国内企業のIT投資実態と予測」によると、2021年度時点で国内の民間IT市場(SES市場を含む)の規模は13兆5,500億円でした。2023年以降は基幹システムの更新やデータ活用の取り組みが活発化することで、2024年度には規模が14兆6,000億円に達すると予測されています。
②エンジニアにおける着実な成長
SES業界で働くことにより、多岐にわたる案件に関与する機会が豊富です。現場やプロジェクトごとに異なるフレームワークやツール、環境の違いが存在するため、広範な技術を学ぶ機会が増えます。さまざまなプロジェクトで経験を積むことで、関わる人々も増加し、コミュニケーション能力を向上させることができます。
③技術面の要求は高まっていく
近年、IT業界、特にSES業界に参入する未経験の方が少なくありません。最初のプロジェクトには今まで蓄積した経験や知識で十分対応できますが、参入者数や働く年数が上がるにより、市場から求められる技術力やソフトパワーは徐々に高まっていきます。エンジニアとして、市場価値を高めるためには、自分の能力をアップデートする方法を検討する必要があります。経験者・未経験者に関わらず、キャリアプランを立て、技術トレンドをリアルタイムに追い続けることで、市場の変化に柔軟に対応できるでしょう。
以上、2022年のSESデータ分析のまとめでした。
最後、2023年に皆様健闘の一年を心より祈っております〜
株式会社エスラボ
営業部